Interview 03
外科とカテーテルの両輪で、
最適解を導く

診療助教

竹内 祐貴
Takeuchi Yuki

Q1 カテーテル治療に携わるようになったきっかけ

患者さんの身体的負担を減らしたい低侵襲な治療を追求した国内留学

もともとカテーテル治療には学生時代から関心がありましたが、本格的に学びたいと思うようになったのは、心臓血管外科医として大動脈疾患の診療に携わる中で、開胸・開腹手術の大きな侵襲を目の当たりにしたことがきっかけです。浜松医大はもともと大動脈疾患の診療に強みがあり、多くの患者さんを救ってきました。一方で、高齢の患者さんや全身状態に不安のある患者さんにとっては、外科手術の身体的負担が非常に大きいことも事実です。

そうした中で、体への負担を抑えながら効果的な治療ができるカテーテル治療に大きな可能性を感じ、関連病院での経験を経て、九州の大学に国内留学しました。TAVIやステントグラフト治療を3年間集中的に学び、九州各県の施設で多くの症例を経験したこの期間は、私の外科医としての視野を大きく広げてくれました。現在はその経験を生かし、本学で血管内治療に携わりながら、後進の指導にも当たっています。

Q2 外科医がカテーテル治療に関わる意義は?

低侵襲治療を
正しく選択するために

カテーテル治療の大きな魅力は、体への負担が少ないことです。治療が適切に行えれば、患者さんは比較的早く回復し、短期間で退院できることも少なくありません。特に高齢の患者さんや、従来の外科手術では負担が大きすぎる患者さんにとって、非常に有力な選択肢になります。

ただし、重要なのは「カテーテル治療ができるかどうか」ではなく、その患者さんに本当にふさわしい治療は何かを見極めること。そこに外科医が関わる意義があります。外科医は、実際の解剖や病態を踏まえながら、開胸・開腹手術とカテーテル治療の両方を視野に入れて判断することができます。どちらか一方に偏るのではなく、患者さんごとに最適な治療戦略を立てられることは大きな強みです。カテーテル治療はあくまで手段の一つであり、それを正しく使いこなすためにも、外科的視点を持つことが非常に重要だと考えています。

Q3 開胸手術とカテーテル治療の両方を学べるメリット

最適な治療を選べる広い視野が
キャリアの選択肢を広げる

開胸手術とカテーテル治療の両方を学べることの最大のメリットは、患者さんにとって最適な治療を自分で判断できる視野が身に付くことです。若いうちからどちらか一方だけに触れていると、どうしても考え方が偏りがちになります。しかし両方を知っていれば、「この患者さんには外科手術がよいのか、カテーテル治療がよいのか」をバランスよく考えられるようになります。

両方の手技と、それぞれのメリット・デメリットを学んだ上でキャリアを選択できる環境は、非常に贅沢なものです。将来的にカテーテルを専門にするとしても、外科医としての基礎知識があるかないかで、トラブルへの対応力や治療戦略の立て方に決定的な差が出ます。また、当科では大動脈解離の治療などで、外科手術とステントグラフトを組み合わせる「ハイブリッド手術」も積極的に行っています。次世代の心臓血管外科医にとって、この両輪のスキルは必須の教養になっていくはずです。

Q4 浜松医大心臓血管外科の強みは?

治療戦略の引き出しを増やす
幅広い成長環境があります

浜松医大心臓血管外科の強みは、前述した外科手術やカテーテル治療を含め、幅広い症例を学べることにあります。心臓血管外科としての基礎を大切にしながら、ステントグラフトなどの低侵襲治療にも触れられるため、治療の幅を持った医師に成長することができます。さらに、両者を組み合わせたハイブリッド治療も経験できるため、治療戦略の引き出しを増やせる環境です。

また、若手のうちから症例検討のカンファレンスに参加し、外科・カテーテル双方の視点から議論できることも大きな魅力です。現在は症例数も着実に増えており、資格取得や経験の蓄積につながる体制が整ってきています。また岡本教授を中心に地域との連携も進んでおり、難しい症例が集まりやすい流れもできつつあります。幅広く学びながら着実に経験を積み、将来の専門性を育てていけることが、当科で学ぶ大きな強みです。
Message 心臓血管外科医を目指す方へ

命を直接救う実感が、やりがいにつながる分野です

心臓血管外科は責任の大きい分野ですが、その分、患者さんの命を直接救う実感を持てる、非常にやりがいのある領域です。当科では、豊富な手術経験を通じて外科手術とカテーテル治療の両方を学び、これからの時代に求められる心臓血管外科医として成長できる環境があります。次世代の心臓血管外科を担う仲間として、一緒に学び、成長していけることを楽しみにしています。
ページTOP