Interview 02
次世代を担う若手医師たちとともに、
大動脈疾患の最前線に立つ
病院准教授
鷲山 直己
Washiyama Naoki

Q1 心臓血管外科医を志したきっかけとやりがい
当科の伝統と専門性に引かれ、
大動脈疾患治療の道へ
私がこの道を志した大きなきっかけは、当時の恩師が大動脈領域のスペシャリストであったことです。浜松医大には伝統的に大動脈診療に注力してきた歴史があり、その志を継承する形で自然とこの分野に深く関わるようになりました。学生や研修医の皆さんにとって、大動脈疾患は「難解で、手術も長時間」というイメージがあるかもしれません。確かに生命を脅かす重篤な症例が多く、一瞬の判断が予後を左右する緊張感があります。しかし、だからこそ手術を成功に導いたときの達成感は格別です。「自分の手で患者さんを救いたい」「難しい症例に挑戦したい」という純粋な情熱を持つ人にとって、これほど外科医としての成長を実感でき、大きな意義を感じられる領域はないと考えています。
Q2 大動脈診療を大学病院で学ぶ意義
高度医療と研究が
両立する環境
大学病院で大動脈疾患を学ぶ意義のひとつは、最新の知識や技術に触れながら、多様な症例を経験できることにあります。大動脈疾患は病態が非常に幅広く、治療方針も患者さんごとに異なります。大学病院ではそうした症例を多く経験できるだけでなく、先輩医師からの指導を受けながら、実践的に学んでいける環境が整っています。加えて、臨床の傍らで研究に従事できることも大学病院ならではの魅力で、私自身、ステントグラフトが大動脈壁に与える影響を模型で再現する研究を行っています。こうした基礎研究の視点を持つことは、将来の医療をより良くするだけでなく、日々の手術手技の根拠を深く理解することにも繋がります。その経験は、医師としての生涯の財産になるはずです。

Q3 浜松医大心臓血管外科の強みは?
多くの症例と選択肢の中で
専門性を深める
では、数ある医大の中で浜松医大の強みは何でしょうか。それは、伝統的な大動脈手術を継承しつつ、最新の低侵襲治療であるMICS(低侵襲心臓手術)やステントグラフト、そしてそれらを組み合わせたハイブリッド治療を高い次元で両立させていることです。これら幅広い選択肢の中から、患者さんにとっての最適解を自ら考え、実践できる経験は、若手医師が将来の専門性を育む上で非常に大きなアドバンテージとなります。また、私たちはチーム医療の質にも自信を持っています。高難度手術や重症管理は、医師一人で完結するものではありません。臨床工学技士、リハビリスタッフ、看護師といった多職種のプロフェッショナルが対等に意見を出し合う。こうした環境の中で、若手医師は広い視野を持ちながら専門性を深め、より実践的な力を身につけていくことができます。
Q4 若手医師に期待すること
周囲へのリスペクトを持ち、
チームを率いる良きリーダーへ
気付けば私も当科では一番の古株になりましたが、これからの時代を担う若手の先生方に期待するのは、まず確かな手術技術を磨いてほしいということ、そしてそれ以上に、自分を支えてくれるスタッフへのリスペクトを忘れないでほしいということです。前述した通り、心臓血管外科は多くの仲間の支えがあって初めて成り立つ医療です。さまざまな意見を柔軟に取り入れ、チーム全体を導ける「良きリーダー」へと成長していってほしいと考えています。
当科で学ぶ皆さんが症例一つ一つに真摯に向き合い、患者さんと信頼関係を築きながら外科医として羽ばたいていく。その過程に立ち会い、伴走できることは、私たちベテランにとっても大きな喜びです。
Message 心臓血管外科医を目指す方へ
挑戦の先に大きな成長がある
心臓血管外科は、挑戦と自己研鑽の連続です。しかし、大学病院での学びや、多職種とのチーム医療を通じた経験は、これからの医療を担う皆さんを大きく成長させてくれるはずです。皆さんの挑戦を、心からお待ちしています。


